本稿は,千葉商科大学の基盤教育機構における共通入門科目に関して,科目で教えるべき技法について,検討を行う。第一に,学びのための基本的な技法が,リーディング,シンキング,ライティング,ピアラーニングというより具体的な技法に置き換えられ,それらを大学で教えることは,大学本来の役割であることを論じる。リーディングについて思考するための文章理解の技法,シンキングについて問いから結論まで切れ目なく考える技法,ライティングについて思考を文章として表現する技法,ピアラーニングについて学生同士で学び合う技法と,それぞれ定義する。第二に,リーディング,シンキング,ライティングについて,技法を学ぶことへのハードルを低下させるステップ1,基本的な技法の型を教えるステップ2,技法の型を定着させるステップ3の三段階で構成することを提案する。第三に,共通入門科目を設置するに当たっては,各技法の「学修を助けるための共通的ガイドライン」を予め作成し,ステップ3として同時に全学的な運用を行うことが望ましいことを論じる。それにより,本学の学生が基本的な技法についての能力を高められる。