暗号資産(仮想通貨)取引と課税―私法上の性質論等の議論から得らえる示唆―
本稿では、暗号資産の私法上の議論は暗号資産のあるべき課税関係を検討する際の参考となるという想定の下、暗号資産の私法上の性質や法律関係等の議論から得られる示唆を述べる。具体的には、暗号資産の私法上の性質に関する議論、とりわけ何らかの権利該当性に関する議論は、例えば、租税法上の「資産」該当性の議論に与える影響、及び、金銭との類似性を重視する考え方(金銭=「所有=占有」理論)が与える影響について論じる。
租税理論研究叢書30号日本租税理論学会編『租税上の先端課題への挑戦』 財経詳報社