GIGAスクール構想などの施策により,2023年度までに高等学校等への校内LANの整備や児童生徒へのPC端末を整備することが決定していた。しかし,コロナ禍によりICTを活用した学習指導が必要となったため予定が前倒しされ,2020年度には目標がほぼ達成された。一方,教員が授業においてICTを利用している割合はOECD加盟国の中で最下位であることが明らかになり,また商業科の特定の分野ではあまりICTが利用されていない可能性があることから,千葉県教員にアンケートを実施して商業科におけるICTの授業利用に関する実態を明らかにするとともに,新たな指導方法の可能性について考察した。
アンケート結果より,教員および生徒ともに分野・科目によってICTの利用率および利用頻度が異なることが明らかとなった。また,使用するアプリについては偏りが見られ,特定のICT活用方法しか利用されていない可能性がある。
以上から,「座学」授業におけるICTの積極的な活用の実現,「教員のICT活用指導力」の正確な把握,教科商業の授業をサポートするコンテンツの作成が必要であると考える。