自由市場においては、自発的な参加者が自由な意思により交換を申し出、それを許諾し、あるいは拒絶することで、参加者両者がより高い効用を獲得する。市場は、能力のある者を見出すことでその機能を拡大する。貨幣と言葉が整備された市場においては、新たな財を評価する尺度が整備されることで、その財の円滑な取引が可能となる。 環境を継承財として定義することで、環境を破壊した者の責任は明らかになる。破壊した環境に相当する量の再生をすることである。 kikyoという生物多様性を測定する単位を利用することで、再生すべき環境の大きさを測定することが可能となる。継承財に係わる責任を果すべき者が、再生すべき環境が測定可能となる。同様に、kikyoという生物多様性を測定する単位を利用することで、環境再生に携る者の能力も明らかになる。環境再生を生業とするために如何ほどの費用が必要かは、従来のコスト計算の適用の範囲にある。 このようにして、環境会計においても、誰に環境再生を委ねれば良いかが明らかになる。