教育法規のひとつである「いじめ防止対策推進法」について,同法の成立の経緯,経過,趣旨を確認するとともに,参議院文教科学委員会調査室,法律の専門家,研究者がそれぞれの立場で捉えた同法の施行後の課題を整理することであった。
その結果,同法に関するこれまでの議論の主な問題点として,いじめの定義の曖昧さ,対応の不統一,罰則の欠如,教員の負担の4 点に整理された。また,同法への批判は,主として解釈の相違,実効性があることが明らかになった。
このことを踏まえ,教育法規のひとつである同法の改正が具体化された際には,同法の制定の契機に立ち返って法規定を見直すこと,基本法的性格のある法律と捉え,基本的理念や体制整備等が混在する現同法を,より明確に基本法としての性格を出し,具体的措置等については下位法規に規定することを提言した。