Academic Theses

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Name KAWASAKI, Tomoki
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Title

小児期発症流暢性障害の生徒への在籍校における 支援の在り方について ―中学校,高等学校段階に焦点をあてて― 

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Summary

本研究の目的は,小児期発症流暢性障害の児童生徒を担当する通常の学級の教員には,どのような教育的な支援や配慮が求められているかを探索的に明らかにすることであった。
 全国的に中学校の言語障害通級指導学級の設置数が一桁台で非常に少ないため,学校生活の大半の時間を過ごす中学校,高校に在籍する吃音のある生徒への環境調整面からの, 在籍校の教員としての配慮,指導・支援の在り方を探索的に捉えるため,小児期発症の流 暢性障害(吃音)のあった成人 13 名を対象として,高校までの学校生活における困難さ やサポートの有無やその実際,吃音の受容までのプロセスをインタビューした。インタ ビューの内容を逐語に起こし,M-GTA(修正版グランデッドセオリーアプローチ)を用 いて分析し,吃音の自覚から受容に至るプロセスモデルを構築し,必要とされる配慮,指 導・支援の在り方を明らかにした。その結果,小学校段階よりも中学校,高校で吃音があ ることによる同学年生徒からの無理解,偏見からくる嘲笑,侮蔑,揶揄等で,心理的なダ メージを受けていることが明らかになった。 吃音のある児童生徒を担当する通常の学級の教員には,どのような教育的な支援や配慮が求められているかについて,吃音があり学童期に通級による指導等を受けていた経験のある成人からの回顧的インタビューによる質的研究を通して探索的に明らかにした。その結果,小学校段階よりも中学校,高校で吃音があ ることによる同学年生徒からの無理解,偏見からくる嘲笑,侮蔑,揶揄等で,心理的なダ メージを受けていることが明らかになった。それを踏まえ,中学校,高校の教員は,①吃 音に関する理解や認識を高めること,②吃音のある生徒を見守り,援助するアプローチす ること,③生徒集団に吃音の理解認識の理解啓発を図ること,④当該生徒の居場所づくり を行い,絆づくりをサポートすること,⑤特別支援教育コーディネーターを中心に学校と しての支援体制を構築することの必要性が明らかになった。

Magazine(name)

千葉商大紀要

Volume

Date of Issue

2023/11