本研究の目的は,一般教員が学校管理職を志向する規定要因を男女別に検討することであった。全国公立小・中学校の一般教員を対象にweb 調査を実施し,学校管理職に影響を与える要因について,重回帰分析を用いて検討した。その結果,男性教員は,学校マネジメント経験は,「組織貢献効力感」を介して,学校管理職志向に間接的に影響を与えること,ロールモデルとなる学校管理職との出会いは,直接的に,また,「組織貢献効力感」「校長職に対する肯定的認知」の2変数を介して,学校管理職志向に間接的に影響を与えることが明らかになった。女性教員は,経験年数が,「学校運営効力感」,「学校管理職等からの被承認認知」の2変数を介して,学校管理職志向に間接的に影響を与えること,学校マネジメント経験とロールモデルとなる学校管理職との出会いは,「学校管理職等からの被承認認知」を介して「学校管理職志向」に間接的に影響を与えることが明らかになった。管理職の養成は男女の傾向を踏まえて行う必要があることが示唆された。