本稿は、日本会計研究学会スタディ・グループ「倒産予測モデルの構築とパフォーマンスの検証」(高田敏文主査と委員10名で構成)における調査、研究を最終報告としてまとめたものである。本稿では、倒産研究への比例ハザードモデルの適用可能性について検討し、実際に比例ハザードモデルによる倒産予測モデルの構築を試みた。結果として、形式的には3指標(株主資本比率、有形固定資産減価償却累計率、棚卸資産回転期間(あるいはCF対負債比率))を組み入れた比例ハザードモデルを構築することができたが、モデルの大前提である比例ハザード性の条件を満たすことができず、今後に大きな課題を残す結果となった。