年金負債の認識の体系と論理
本稿は、アメリカの財務会計基準書87号「雇用主の年金会計」における年金負債の計算体系と年金負債(とくに追加最小負債に焦点を絞った)の貸借対照表への計上の論理について検討したものである。本稿では、基準書87号の前身である会計原則審議会意見書8号、基準書87号の公聴会記録などを渉猟し、年金負債の計上限度額設定にかかる「政治的な判断」とABOという理論的な尺度とを混合した結果(アマルガメイション)として追加最小負債規定が策定されたのではないかとの結論に至った。
研究年報経済学(東北大学),第62巻第1号,pp.149-162.