財務諸表監査が行われている会社では、公表財務諸表の信頼性が全体として担保され、経営者の虚偽記載による損失を被るリスクは低くなり、結果的に、資本コストや株価収益率に対する投資家の要求水準を低く抑えることができると考えられる。本稿では、財務諸表監査によるこうした機能状況を「監査の資本コスト低減効果」と総称し、財務諸表監査が行われている会社グループと行われていない会社グループとの間で株価収益率と資本コストについて差を見いだすような結果が得られるか、検証した。共著:高田敏文、井上普就、及川拓也(3人でディスカッションを繰り返しながら作成したため、担当部分を抽出することは困難である。)