「イギリス19世紀における女子中等教育に関する一考察 ―― 女子私営学校教育に携わった女性教師達の教育意識や取り組みを中心に ―― 」
19世紀のイギリスで女子私営学校の教育に携わった女性教師たちの教育に対する意識、態度、取り組みについて、学校調査委員会(トーントン委員会)報告書を基礎史料とし、当代社会の価値基準と関連づけて考察を加えた。 女性教師たちはアマチュアな教育意識や取り組みに終始していたが、それはレディとしての体面維持に固執するがゆえに当時の支配的価値である「家庭重視イデオロギー」に引きずられた結果だと考えられるのであり、そうした彼女たちの教職に向かうスタンスにこそ最たる問題があることを指摘した。
『教育研究』(青山学院大学教育学会紀要)
第49号1~11