執筆した箇所は、第3章第1節:「教員としての資質能力向上の視座からみた大学の教員養成の役割と課題」(pp.134-48)。
本稿では、教員志望者が、自らの資質向上を見据え、教職課程履修段階に始まり、入職後の教職生活全体にわたリ、主体的に研鑽を積み上げていくスタンスの確立を主眼とし、この実現に向けて、教員養成の当事者である大学が担うべき役割と課題について考察を加えた。
1970年代以降の教員養成政策をめぐっては、難題が山積し混迷を極める学校現場への即戦力要員を確保することを企図し、最優先に獲得されるべき教員の資質を、「実践的指導力」とする指針がとられ、大学に対して養成教育の改善要請が度々なされてきた趨勢を確認できる。
そこで、「実践的指導力」重視の養成施策と、これが強調されるに至った推移を追い、その上で、大学の養成教育が教員の資質向上にむけて果たすべき役割と課題に関して論じた。
他の執筆者は、池田稔・佐藤哲也・豊泉清浩・佐藤由美・新田司・磯部裕子 等。