これまでの一連の研究から,教育実習において実習生が感じる困難さの背後に,他者とのコミュニケーションの問題があることが示されている.本研究では,その問題を検討するため,今年度教育実習を終了した実習生168名を対象とし,ソーシャルスキル自己評定尺度と,実習に関する自己評価および他者評価の関係を検討した.その結果,上記の問題はソーシャル・スキルの不足に起因することが明らかとなったほか,教育実習においては“関係開始”および“記号化”のスキルが重要な働きをすることが示された.これらの結果をもとに,効果的な事前・事後教育の検討がなされた.(相良麻里・相良陽一郎:担当部分=データ分析・考察部分の検討および本文執筆)