Miyagawa (2012)は,主節疑問文においては丁寧表現「ます」が必要であるとの観察を示し,allocutive agreementとSpeech Act Phrase内のHEARERとの相互作用により説明している。Yokoyama (2013)は「ます」が不在であっても成立する主節疑問文として修辞疑問文と自分に向けた疑問文をあげて例外的な扱いを提案している。本論では,そのような疑問文がモーダル表現を伴うことに着目し,モーダルとSpeech Act Phrase内のSPEAKERの相互作用による説明をした。これにより,Yokoyamaの提案のような例外的扱いは不要となる。