本発表は,BYU-OEDを利用した研究事例として,複合前置詞句according toの情報源を表す用法の発達を考察した。考察の要点は以下の3点である。(1) 情報源を表す用法は,adjunct用法ながらそれが文頭に前置し,後続の文全体を修飾する事例がきっかけとなって,16世紀の後半に発生した。(2) According toの用法の発達の様態は,T. Swan が指摘する文副詞の発達の過程と同様である。(3) According toの文中での出現位置の通時的な変化も,Swanが指摘した文副詞のそれと基本的に一致している。