From Passion to Action: Rolling Thunder, a Vietnam Veteran Film(査読付)
ヴェトナム帰還兵映画『ローリング・サンダー』(Rolling Thunder, 1977)をヴィジランテ映画の一つみなし、精神分析的に解読した。まず帰還兵がヴェトナムで受けた拷問の外傷は、象徴的な去勢体験として示される。だが帰還兵は拷問体験を空想の力で快楽に書き換えている。これをマゾヒズムとして分析した。後半は、妻子が殺されたのを契機に、彼は復讐の暴力に執着する。これを暴力のフェティシズムとして分析した。
『ほらいずん』第46号、早稲田大学英米文学研究会