社会課題への対応は多くの企業にとって経営上の重要命題となっている。マイケル・ポーターとマーク・クラマーは社会・環境課題を解決しつつ経済価値の実現をねらうCSV(Creating Shared Value)を提唱したが,対象とする社会課題の洞察が十分でないなどの点が先行研究で指摘されている。現下の社会課題については2015年に国連で策定された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)がある。本稿では,SDGs活用によりCSVの弱点を解決するSDGs/CSVの統合要素を提案し,事例によりその有効性を示す。