リキャップ CB を通じた資本調整行動とその決定要因ー企業の資本構成の変化に着目して
日本経営財務学会第45回大会
本稿では,転換社債の発行と自社株買いを同時期に実施する資本政策である「リキャップCB」を実施する企業の経済的動機を実証的に解明する。分析の結果,最適資本構成の実現を目的として当該資本政策を実施するという証拠は得られず,短期的なキャッシュ・アウトフローの最小化,および経営者自身の個人的利害に関わる可能性のある収益性指標の改善を目的としたものである可能性が示唆された。