種子どりとにぎりめし : シラを舞台とした季節儀礼の比較研究から
本稿は、種子どりの行事を仔細に比較することにより、この季節儀礼の位置づけを明確にすることを目的とした。本稿では、種子どりは、根下り〔ニーウリ〕の力を受けた種子を播種し、農の始まりを告げる祭りであること、ニーラスクの神々などのまれびとは、種籾の発芽に対する観察力と不可思議に感じる心意から発生し、次第に擬神化していったものであることをあきらかにした。
沖縄文化研究