絶家の民俗 : 沖縄波照間における預かり墓と焼香地
日本民俗学会 : 第65回年会(新潟大学)
本報告は、戦争にのみとどまらず、災害や政策、過疎といった生活条件の大きな変化を被ってきた沖縄県波照間島を対象とし、子孫が絶えた場合、各家が先祖祭祀をどのように受け継いできたのかをあきらかにすることを目的とした。本報告では、焼香の義務を賦課した家産を他家に預けることにより、他家のものを“擬制的な子孫”として位置づけながら、家の潜在的な存続を図っていることをあきらかにした。