高い島と低い島との往来をめぐる生態史 : 琉球弧・八重山諸島における水平統御の海域人類学研究に向けて
日本文化人類学会 : 第47回研究大会(慶応大学)
本報告は、生態史の枠組みから、八重山諸島の遠距離通耕を把握することを目的とした。本報告では、史料の記述・分析を通じ、「低い島」の住民は、自然環境及び利用できる生態資源の偏在に対応するために、「高い島」において水稲耕作地だけではなく各種地目を共同で所有し利用してきたこと、通耕実践が環境収容力の拡張を目的とした水平統御の資源利用戦略であることをあきらかにした。