最も高い階層に位置している委託企業(以下、本文では元請企業。主にゼネラル・コントラクター(以下、ゼネコン))、この委託企業から直接受託をしている企業(以下、一次下請企業 )の視点から、下請構造に与える動態について述べている。ただし、ゼネコンと言っても幅広いセグメントを擁しているために、ここでは、多くの売上高比率を占めている建築と土木に注目して述べている 。
概要として、「資源の重要性」、「資源配分と使用に関する裁量」、「資源管理の集中」それぞれにおける元請企業と下請企業との組織間関係、ならびに、担い手確保について述べている。
下請企業で主体的に取り組めることとして「資源配分と使用に関する裁量」だと政策と元請企業の志向に沿うかたちで下請企業自らの役割を調整することだと述べ、下請企業単独で講じられることとして「資源配分と使用に関する裁量」だと「所有権(知財)」と「省力化(建設に直接関わらない諸手続き)」にほぼ限定されると述べた。そして、「資源管理の集中」だと、代替企業の少ない状態ならびに適切な工員配置をできる状態にし続けることだと述べた。本稿は試論だが、製造業を対象に論じている「資源の依存性3つの要因」は建設業においても適用でき、複合的な課題を炙り出せる可能性を有していると主張している。