本論では「対等ならざる外注取引関係」にある発注先企業の過度競争を利用できる仕組みを構築してきた発注側企業と発注先企業との組織間関係のうち、「外注取引関係にある注文生産」をしている企業に対象を絞り込むかたちで資源の依存性による理論的な解釈をできると主張している。これによって、例外的な存在として扱われてきた「外注取引関係にない注文生産」をしている企業であろうとなかろうと、単一の理論による解釈が可能になった。また、更なる検討を要するが、この理論によって期待できることは1)新製品や新サービスの開発による脱下請や第二創業を試みる際に、対価の検討をできる手法になり得ること、そして、2)本論において触れていないが「対等ならざる外注取引関係」にある発注先企業の過度競争を利用できる仕組みの埒外に位置する発注側企業との組織間関係のあり方にも展開し得ると考えている。