公共事業の経済効果については、産業連関表などを使った研究が進められているが、個別の公共事業を取り上げ、その経済波及経路について研究した事例はほとんどない。本研究の目的は、公共事業(土木工事)を元請(下請)受注している建設業者にヒアリングを実施し、施工体系図などの提供を受け、公共事業の実施体制、波及経路がどのような構造になっているのかを考察した。調査の結果、県内の公共工事を地域の業者が元請受注した場合、労働者や資材のほとんどが県内で調達されている。県外企業による受注や建築工事を対象としていないことに加え、公共事業の波及経路の一端が明らかになった。松下幸生、市村昌利