本論文は平成22年度の社労士総研研究プロジェクトの成果である。東北地方において労務管理に優れているとされている企業10社に対する調査を踏まえて、企業横断的にそれぞれの考察をしている。松下は「「文明型産業」における人材育成」を担い、調査企業の多くは「文明型/価値節約型経営」に重きをおいたかたちでOJT、Off-JT、職能資格制度を組織の受容できるかたちで運用しており、組織に対するロイヤリティを高める仕掛けを構築していることを明らかにしている。また、この仕掛けを「価格破壊志向型経営」に位置する従業者に安易に適用してはならないことを批判的に主張している。谷口雄治、本間義章、高橋保幸、松下幸生