本研究は、答えがわからない失敗からの学習プロセスの課題を明らかにすることを目的としている。
失敗からの学習に関する先行研究では、明らかな失敗をいかに防止するのかというエラーマネジメントの研究が中心に行われてきた(e.g. Reason, J ,2000)が、その一方で、答えがわからない失敗がどのように成功に結びつくのかという、失敗からの学習プロセスに関しては、ほとんど研究がなされてこなかった。
答えがわからない領域において、組織やチームは成功につながる知識の蓄積をおこすためにも、失敗が不可欠となる。しかしながら、失敗を成功につなげる際に、どのような失敗から、どのような学習がおき、組織やチームにどのような影響を与えるか、という学習プロセスに関して不明瞭なままである。そこで本研究では、答えがわからない失敗から学習する際に、どのような課題が存在するのかを明らかにしていく。