本研究は日本人女性の海外留学の歴史的な始まりと現代事情について論じている。1854年にペリー提督の黒船到来によってもたらされた日本の開国は、それまで入国の許可があった中国とオランダの貿易商以外の外国人に対して新しい時代を示した。その代わり、日本国民は日本政府によって、時間をかけて海外渡航の許可を与えられた。1871年から1873年にかけて行われた外交と教育を目的とした岩倉使節団の米国や欧州の視察以降、1980年代ごろまで、日本人男性が国際貿易に携わって渡航していたことが注目を浴びていた。しかし、海外との関わりにおける様々な場面とレベルにおいては、日本人女性の方が真に国際的に外交と教育に貢献してきたことを主張した。