本報告においてはカナダの金融制度の特徴、改革と現在についてのものである。2008年の世界経済危機を乗り越えた先進主要国の一つとしてカナダが目立っている。その背景にとしてはカナダの健全的な金融政策と金融制度をあげられる。本報告では、カナダの1990年代の銀行・信託会社・保険会社の業法改正で金融業界の相互参入が自由化されたことと制度改革について紹介する。また、OSFI(金融機関監督局:Office of the Superintendent of Financial Institutions)、CDIC(カナダ預金保険公社:Canada Deposit Insurance Corporation)、証券委員会(Securities Commissions)などのそれぞれの機関の主な役割を取り上げる。1990年に保険業界により設立された非営利会社であるCompCorp(カナダ生命健康保険補償会社:Canadian Life and Health Insurance Compensation Corporation)の保険契約者保護制度の重要性に関して取り上げる。