(第3章)
近年、日本の交通政策の転換感を迎えた中で、鉄道やバスなどの交通をネットワークとして構築し、人々の利便性を高めようとする動きがみられる。その構築には大都市において、ハード的な整備やソフト的な施策が行われてきたものの、交通流動が少なく、公共交通が充足していない地方部においては異なる施策が求められる可能性がある。本章では地方都市である長野県松本市における事例研究を通して、交通をネットワークとして構築するにあたっての施策の現状と課題について明らかにした。
(第10章)
地方部では公共交通が不在となる地域が増加する中で住民組織自らがバス路線を開設するケースがみられる。北海道函館市の町会では運行実務や採算面など運行に関わる様々な課題を抱える中で、地域主体との役割分担によりバス運行を進めてきた。本章ではその事例研究を通して、主に運営面における役割分担について考察した。
青木亮、寺田一薫、大島登志彦、松崎朱芳、高橋愛典、加藤博和、石関正典、早川伸二、酒井裕規、横井武志、野村実