「請負労働者像の考察」
請負労働者は、広範囲な労働市場を孤立して漂っているように一般的に考えられている。しかし参与観察をした電機企業における請負労働者は、仲間同士で頻繁な交流が行われており、居場所としてのネットワークが形成されていた。さらにこのネットワークは仕事情報の交換機能をも有しており、それらを利用してよりマシな仕事を求めようとする彼らの態様は、典型的な請負労働者像とは異なる、「したたか」な請負労働者像を示している。
『経営学研究論集(明治大学)』
29号21~40