本論文は、初めて都道府県別子どもの貧困率を対象にして、その高低についての要因分析を行った。重回帰分析で分析した結果、子どもの貧困率に影響を与えている要因は、大きい順に失業率、三世帯同居率、最低賃金、共働き率、非正規率となっていた。このうち、子どもの貧困率にプラスの影響を与えている要因が、失業率、共働き率、非正規率であり、マイナスの影響を与えている要因が、三世代同居率と最低賃金であった。これらの分析結果を基に、子どもの貧困率が最も低い福井県について独立変数のデータがどうなっているのかを調べ、その特徴と課題を明らかにした。