「拡大する子育て貧困世帯」
本論文の課題は、子育て貧困世帯の動向を、私が独自に計算した都道府県別の子どもの貧困率の推移によって探るとともに、雇用条件の悪化が子育て貧困世帯の増大に影響を与えている点を解明することである。さらに、それらを踏まえて、子育て貧困世帯の解消に必要な視点と方法を検討することである。最後の点では、子どもの貧困対策において、「機会の平等」と同時に、あるいはそれ以上に、「結果の平等」の実現を図ることの必要性を強調している。
『現代思想』
45巻7号(2017年4月号)210~218