「日本における雇用政策・労使関係の現状と課題―ヨーロッパにおけるフレクシキュリティ政策を念頭に―」
日本の雇用政策・労使関係の現状と課題について、ヨーロッパにおけるフレクシキュリティ政策との比較を念頭に検討した。ヨーロッパにおいてフレクシキュリティが議論される前提には、産業別労働組合による強力な労働市場規制の存在がある。日本では安倍政権が、「失業なき労働移動」を目指す雇用政策を実行しているが、日本では、総じて労働組合による労働市場規制は脆弱であり、その下で雇用柔軟化政策が推進されれば労働市場は底が抜ける恐れがある。
『社会政策』
7巻1号65~75