「自治体委託労働者の労働実態と労働組合の取り組み」
日本の自治体が業務を民間委託する動きが拡大する中で、委託労働者の労働条件の低さが「官製ワーキングプア」と呼ばれて問題となっている。そこで本論文では、給食調理員、学校校務員、図書館職員として働く委託労働者の労働実態と、彼らの労働条件向上のために取り組む労働組合の実践について、インタビュー調査等に基づき、解明している。たとえば、埼玉県B市では、労働組合が働きかけて、校務員業務の入札方式を、ダンピングが起きないように総合評価方式に改めさせた事例などが紹介されている。
『山形大学紀要(社会科学)』
45巻1号203~217