衣料品流通と岐阜繊維問屋街
本論では、戦後初期から高度成長期までの間、衣料品流通経路で主要拠点であった繊維問屋街について、東京・大阪・岐阜を事例として中小卸売商集積の意義と役割を検討した。東京、大阪は複数の製品別、流通段階別の繊維問屋街が存在する点で「都市型」繊維問屋街であった。一方、岐阜は繊維現金問屋街の単一集積であり、「地方型」繊維問屋街であった。このように産地によりその卸売商の集積形態は異なり、特に岐阜は同業者活動が活発に行われたことが、地場産業としてアパレル産業の発展要因となったことを明らかにした。
『流通』日本流通学会
No.33(p17-32)