筆者は、自身が勤務する千葉商科大学商経学部がアクティブ・ラーニングの実践として立ち上げた「企業とつくるプロジェクト」の活動に関与する機会を得た。そこで、会社の設立や経営を通じて、税に関わる体験をし、自ら税のことを考え、学びたいと思い始めた学生と接することとなった。期せずして租税教育としての効果を発揮することになった感はあるものの、「リアリティのある租税教育」が実践されたことになる。起業や会社経営体験というアクティブ・ラーニングを通じた租税教育は、大学生に適した租税教育のコンテンツとしての地位を獲得する可能性を有していると考える。そこで、本稿では、千葉商科大学商経学部で行われている起業や会社経営体験というアクティブ・ラーニングを通じた「リアリティのある租税教育」の紹介を行いたい。