所得の実現の判断過程において機能する経験則―所得の年度帰属との関係における主要事実の模索―
本稿は、所得税法又は法人税法に係る所得の年度帰属との関係における主要事実とは何かという問題に、主として「経験則」という角度から光を当てるものであり、その際、要件事実論又は訴訟法の観点から租税法の議論を行うための地ならしという意味も込めて、所得の実現は事実そのものではなく規範的な評価であるという実現規範的要件説を実現主要事実説に対置させる形で、考察を進めるものである。
財経詳報社 月刊税務事例
47巻12号pp.26-35