国税庁は、大企業の税務コンプライアンスの維持・向上には、トップマネジメントの積極的な関与・指導の下、大企業が自ら税務に関するコーポレートガバナンスを充実させていくことが重要かつ効果的であることから、その充実を促進するという趣旨の下で、「税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組」を推進している。本稿では、コンプライアンス制度と法人税に関して、この税務コーポレートガバナンスの取組を中心に、その背景、取組の内容、事務運営指針の検討及び今後の展望を述べる。
全文 255頁中、
第1章 税務コンプライアンス
1 税務コンプライアンス総論
2 コンプライアンス制度と法人税法
3 役員報酬とコンプライアンス
4 インセンティブ報酬の多様性と税制の対応
5 企業の社会的責任と適正納税・租税行政への協力
第2章 企業法務コンプライアンス
1 企業法務コンプライアンスにおける最近の傾向
2 法人におけるコンプライアンスチェック(自主点検)
3 グループ・ガバナンス(会社法改正)
第3章 コンプライアンス周辺の税務問題
1 会社役員賠償責任保険(D&O保険)と税務
2 公益通報者保護と租税法
編集者:酒井克彦
泉執筆担当:第1章2「コンプライアンス制度と法人税法―『税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組」を中心として―」23~38頁