論文

基本情報

氏名 土屋 清人
氏名(カナ) ツチヤ キヨト
氏名(英語) TSUCHIYA, Kiyoto
所属 商経学部
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

題名

同族企業のダブル負債――物的更新と分配構造の緊張――(分配構造存続理論研究シリーズNo.5)

単著・共著の別

単著

概要

本稿は、設備投資と減価償却の時間構造に基づき、企業が内在的に抱える将来負担を「ダブル負債」という概念として理論化することを目的とする。
既存の会計理論において、負債は一般に過去の事象に由来する現在の義務として理解されてきた。しかし、有形固定資産を保有する企業は、時間の経過とともに不可避的な更新支出を将来において要請される。本稿は、この将来負担を「潜在的負債」として位置づけ、既存負債との関係を時間構造の観点から再構成する。
本稿では、既存負債が過去に由来し時間とともに減少するのに対し、潜在的負債は未来に由来し時間とともに累積するという、異なる時間方向を持つ二つの負担が企業内部に同時に存在することを示す。そして、これらが「現在」において収束し、企業の資金配分および意思決定に対して二重の制約を形成する構造を「ダブル負債」と定義する。
さらに、本稿は同族企業を対象として、この構造が分配構造の即時性および外部留保を通じてどのように顕在化するかを分析する。特に、減価償却相当額が更新原資として十分に内部留保されない場合、内部金融と更新可能性との間に構造的乖離が生じることを明らかにする。
以上により、本稿は企業の負担構造を単一の負債概念ではなく、時間構造に基づく二重構造として再解釈するものである。

発行雑誌等の名称

Zenodo

巻・号・掲載ページ(移行用)

発行又は発表の年月

2026/05