偶然性を排除した馬券購入の「独自のノウハウ」の存在について-馬券回収率に対する統計的仮説検定による実証研究-
納税者が控訴審で逆転敗訴した「高松外れ馬券訴訟」判決(東京高裁令和2年11月4日)について、「損失年度の多額の損失の発生は偶然性の影響が減殺されていないことを推認させる」ため納税者の勝ち馬投票券払戻金は雑所得ではなく一時所得であり、外れ馬券購入費は必要経費に算入されないとした判断の妥当性を検証するため、納税者の実績回収率に対する「t 検定」を実施した結果、「係争年度における納税者が実現した回収率の高さは偶然性の産物ではない」、つまり高裁の判断は誤りであるとの結論を得た。
税理