役員報酬の「不相当に高額な部分の金額」の統計学の視点からの考察-「残波事件」における「同業種・類似規模法人比較基準」の妥当性の検証-
納税者を敗訴させたいわゆる「残波事件」の最高裁判決(平成30年1月25日第一小法廷)について、同業種・類似規模法人比較基準に基づく判断で、データの分布状況を検証しないまま平均値・最高値で基準を判断することは妥当でないこと、課税庁の収集データが少なく「一致性」「不偏性」の観点から疑義を生じていることを指摘し、課税庁はその判断の妥当性の客観的検証が可能となるよう個別データを公表すべきこと、あるいは当該基準の適用に関し科学的見地に基づく基本指針を作成・公表すべきことを主張した。
税理士界