競馬予想ソフトを用いて稼得した馬券払戻金の所得区分について－損失年度に馬券購入者の「独自のノウハウ」の保有・行使を認め得るか－

勝ち馬投票券の払戻金の所得区分およびそれに付随する外れ馬券の必要経費性が争われた裁判で、係争年度に赤字年度が含まれる場合の判断が示された高松外れ馬券事件判決（東京地裁令和元年10月30日）を分析、競馬における「払戻率75％」という収束すべき真の期待値との比較で納税者の高い回収率に「独自のノウハウ」を認め、当該払戻金の所得を一時所得ではなく雑所得として勝訴させた判断について、統計学の知見に基づく科学的な見地に立った画期的で合理的な判断との評価を行った。

税理