金融資産の時価情報の有用性と包括利益による業績報告の研究~グローバル・スタンダードの導入と確定決算基準の再検討~
会計基準の妥当性の判断基準を特定の企業評価モデルとの整合性に求める「企業評価適合アプローチ」に基づき、残余利益モデルに依拠した回帰モデルを設定し実証研究を行った結果、投資意思決定に時価差額のストック情報は有用でもフロー情報は有用とはいえないことが判明、有用な業績情報として包括利益を重視する国際会計基準理事会(IASB)の方向性は整合的でないこと、不合理なグローバル・スタンダードの導入に対抗してわが国もその設定に積極的に関与するほか、法人税制の再検討が必要であることを主張した。
税務大学校・和光レポート
第15号49~145