その他

基本情報

氏名 安藤 崇
氏名(カナ) アンドウ タカシ
氏名(英語) ANDO, Takashi
所属 商経学部
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

翻訳書、学会発表、講演、作品等の名称

企業の環境戦略の実現に向ける予算実践:日産自動車を事例として

単・共の別

単著

発行又は発表の年月

202108

発表学会等の名称

日本原価計算研究学会 第47回全国大会(同志社大学)

概要

本研究は企業の環境戦略の実現に向ける論理と方法を明らかにすることを目的とする。方法は単一ケース・スタディ法であり、事例企業は日産自動車株式会社である。日産自動車は環境戦略として、目標年度内に過去の一定年度の環境負荷量を基準としたレベルに抑制することを公約し、その目標達成に向けて自社の下位組織を動機づけていた。下位組織は生産拠点(ロワー・マネジャが責任者)であり、効果性よりも効率性を重視して具体的な達成方法をトーナメント方式で提案させていた。そして環境性と経済性の両面において優れた(エコ・エフィシェンシーの高い)案件に優先的に予算配分を行っていた。そして優れた案件に関しては社内で情報を共有し、企業全体の競争力の向上を図っていた。これによって戦略実現を目標年度以前に達成しただけでなく、環境予算の原資自体も大幅に拡大させた。つまり環境戦略の実現の論理は「競争」と「協調」の体系的な展開にあり、評価方法はエコ・エフィシェンシー評価によることを明らかにした。本研究の貢献点は、環境戦略の実現に向ける企業内のプロセスを、企業の中核的なシステム(予算制度)に着目して明らかにした点である。特に予算・経営戦略や設備投資といった、企業の短期・中期・長期にわたる企業システムの連携と展開について明らかにした研究はこれまであまりなされていない。また通常の実践と異なり、企業内における環境性はトレード・オフの可能性の高い活動であるため、その複雑な実践の論理を明らかにした点も重要な貢献点である。本研究では企業の環境戦略の中でもこれまでの典型的な取り組みとして、自社の過去の一定年度における環境負荷量を基準として、目標年度までにその何割以内に排出量を抑制するといった活動を取り上げた(フォア・キャスト方式)。ただ近年パリ協定を背景として、企業はかなり長期にわたる挑戦的な環境目標への取り組みが求められている(バック・キャスト方式)。こうした研究領域が、今後の展開として重要であろう。

担当授業科目1

 

担当授業科目2

 

担当授業科目3