本稿では, 技術分布と国際貿易の関係を分析したGrossman and Maggi (2000)のモデルを用い, 平均的な技術水準における国間での差異が比較優位に与える影響を分析した. 分析の結果, 2国間で労働者の技術多様性が同程度である場合, 平均技術水準の高い国はタスク間の補完性が高い産業に比較優位を持つのに対し, 平均技術水準の低い国はタスク間の代替性が高い産業に比較優位を持つことが明らかになった. また, 2 国間で技術多様性と平均技術水準がともに異なる場合であっても, 各国の技術分布が同一タイプの分布に従うならば, 技術分布の変動係数が高い国はタスク間の代替性が高い産業に, 低い国はタスク間の補完性が高い産業にそれぞれ比較優位を持つことを示した.