Grossman and Maggi(2000)は,労働者の技術レベルの多様性が貿易パターンにどのような影響を及ぼすのかを理論モデルを用いて分析している。それによれば,労働者の技術レベルが多様性に富む国ではタスク間の代替性が高い産業に比較優位を持つのに対し,労働者の技術レベルが均質的な国ではタスク間の補完性が高い産業に比較優位を持つとしている。本稿は,Grossman and Maggi(2000)が導出した人的資本分布と比較優位に関する命題を,分布の多様性に関する理論研究であるRothschild and Stiglitz(1970)を参考にしながら再考察する。