銀行経営者への市場規律付け
本稿は、銀行に対する市場規律付けについての実証分析である。市場規律付けとは、預金者や株主は銀行の破綻リスクが高まると預金を引き出したりするだろうし、その場合、銀行の経営者は経営の健全化を図るというものである。これらを銀行の財務データを用いて、実証分析を行った。その結果、預金者や株主の行動を確認することができた。しかし、経営者の健全化行動は1部に留まっており、銀行経営者によるモラルハザードの可能性を明らかにした。
『経済学論究』(関西学院大学)
第71巻第2号101~117