本報告は、今日のVWグループの重要な経営戦略である新モジュール化戦略(モジュラー・ツールキット戦略)の特徴と意義、その限界について考察している。1990年代半ば以降に同グループが実践したプラットフォーム共有化戦略との対比において、新モジュール化戦略の新規性・革新性、そして両者の違いを明らかにした。また、こうした新戦略に、互換性の高いモジュールの組み合わせにより、「規模と範囲の経済性」を同時達成しうるロジックがあることを確認した。
*特記事項:本学会報告は、工業経営研究学会誌『工業経営研究』第29巻に掲載された学術論文のベースとなった報告である。