ゲーム理論・コンピュータ・シミュレーションを専攻する共同研究者(松本光崇氏)とともに,ミクロ的な諸アクターにどの程度の規範遵守行動があれば,マクロ的な国際秩序が成立するのかを調べるという研究を行った。具体的には,コンピュータ上に,ホッブズ流の自然状態すなわち,一種の無秩序世界をつくり,そこから徐々にアクターを「賢く」していく作業を施した。各アクターの規範遵守の確率に重みづけを与えていくと,秩序の成立条件のために,どの程度の規範遵守がアクターに求められるのか,その条件を把握することが可能になった。