本論文は、韓国の法人税法上の内国法人と外国法人判定に関する区分基準およびOECDモデル条約、同コメンタリ-の判定基準、さらに具体的な事例を検討することで実質的管理の場所の判定基準を整理して、解釈および適用上の問題点と改善策を考察したものである。実質的管理場所の規定にあたっては、法人税法施行令および施行規則等実質的管理場所の意義と判定基準について具体的に規定することにより納税者の予測可能性を高めることが必要である。明確ではない実質管理場所の規定で包括的に課税することは、租税法律主義が指向する納税者の法的安定性と予測可能性を阻害するので、当初の導入の趣旨に合うように、実質的管理場所の定義および判断基準等に対しての立法上の補完が必要であると指摘をしている。